年報2020年度|小張総合病院
7/106

医療法人社団 圭春会小張総合病院院 長 二 宮 浩 樹 2020年度の年報発刊についてご挨拶を申し上げます。 今回から、Webサイトより年報をご覧いただく方式に変更しております。少しでも環境に優しく、無駄を省くサスティナブルな社会を目指す事が求められています。当院でも、そういった事を意識しながら医療に取り組んでいきたいと考えています。 2020年度は、新型コロナウイルス感染により、世界及び日本全体が衝撃的に変化し、医療界はその前線に立ち続けた大変な年でした。新型コロナウイルス感染の重点医療機関として、地域の基幹病院としての責任と使命を果たそうと、当院は出来る限りの努力をしてまいりました。 当院は、2020年2月のダイヤモンドプリンセス号の感染者の受け入れから新型コロナウイルス感染症の対応に取り組みました。当時、民間病院でこの感染症を受け入れている病院はほとんどなく、わざわざ横浜から患者さまが転送され、治療を開始いたしました。万全の予防策を取っていたものの、職員にとっては初めての経験で不安の中で対応が始まりました。今思えば、大多数の民間病院が断っており、当院の職員の高い使命感に改めて感謝するとともに、誇りに感じております。院内で、ダイヤモンドプリンセス号の患者さまの受け入れに反対する声はありませんでした。千葉県の要請に応じるために、当初より約30床の新型コロナ受け入れを決めました。人工呼吸管理患者さまも受け入れるとの決定をしましたが、秋になり民間病院での新型コロナ感染症を受け入れている病院は2割にも満たない事を知って、愕然といたしました。医療人としての使命として未曾有の災難に全力で立ち向かう事は当然と思っていましたが、多くの民間病院が実はそうではなかった事に驚いた次第です。駐車場にプレハブを建て(以前の新型インフルエンザの経験が役に立ちました)、感染対策をしっかりしてコロナ専用病棟を開設いたしましたが、感染対策にはわからない事も多く、当初は資材が不足し、予想以上の職員及びその家族に対する風評被害があり、病院の中でも、コロナ患者さま及びそれに対応する職員への風当たりが強くなり、大変な状況でした。担当してきた職員の情熱、使命感には本当に頭が下がる思いです。7Hiroki Ninomiya

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る